音はエネルギー
先月からピアノを始められた、70歳の方(男性)。
若い頃から、クラシック音楽を聴くのが大好きで、沢山のレコード、CDを持ってみえて、演奏会にもよく足を運ばれたそう。
バッハなら、このピアニスト
モーツァルトなら、このピアニスト
ベートーヴェンなら、このピアニスト
というように
好きなピアニストがそれぞれおありで、どこに魅力を感じるかお話してくださるので、わたしも、とても勉強させていただいてます。
なぜピアノ始めようと思われたのですか?
とお聞きすると
「聴いてるだけでも良かったのだけど、残りの人生でやってみたいことは何だろう?と考えた時に、今まで聴いて来た好きな曲の一部分でも良いから、自分で再現してみたいと思った」そうです。
ピアノはビギナーさんですが、良い音楽を沢山聴かれてるだけあって、耳がものすごく敏感で、少しの指の動かし方やタッチの仕方で変わる音をキャッチされるので、とても美しい音色で弾かれます。
大人の方は、それぞれに目的がおありなので、そこに最速で到達できるようにお手伝いするのが、わたしの役割です。
使うテキストや練習方法も完全にオーダーメイドで、その方に最適なものを選んでいます。
といっても、やはり基本はとても大事にレッスンしています。
楽譜をきちんとよむこと。
これは、ただ単にドレミやリズムを間違えないで読むということではなく
楽譜が(作曲した人が)何を求めているのかを理解すること。
そして、音はエネルギーであること。
今日のレッスンも、音と音の間にあるエネルギーを感じて弾くと良いですよとアドバイスすると
「こういうことが知りたかった!」
「ピアノをやろうと思った理由の一つがそれです!」
と、興奮気味に言ってみえました。
今まで自分が聴いて、心が動いた音楽には何かがあって、それは一体何だろう?と思っていたことが、今わかりました!と。
指の動かし方や、練習の仕方、楽譜の読み方は、YouTubeで見られているようですが、こういうことは触れられていないし
楽典の本にも書いてないと…
(当然ですが…)
楽典の本には
クレッシェンド→だんだん強く
デクレッシェンド→だんだん弱く
f(フォルテ)→強く
P(ピアノ)→弱く
としか書いてません。
そしてその表示も書いてない部分
例えば「ドレミファソ」と音符だけが書いてあっても、ドから始まってソに向かうエネルギーが必ずあるのに、それを感じないで音を出すとただの音の羅列になってしまいます。
ドとレの間
レとミの間
ミとファの間
ファとソの間
音と音の間にあるエネルギーは見えませんが
それを感じるか、感じないかで、演奏が変わります。
それを理解して下さってうれしかったです。
ありがとうございます。
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